部位と効果
ヒルドイドは、潰瘍・びらん面への使用はできませんが、眼を除く全身すべての部位に使用することが可能です。
ステロイド外用薬のように使用部位によって吸収率・薬効が変化することがないため、比較的安全に使用することが可能だと言えるでしょう。
※びらん面:皮膚や粘膜に傷・炎症を起こし、ただれている状態。さらに進行すると潰瘍となる。
顔
顔への使用は特に問題はありませんが、眼に入らないように注意してください。
ただし、副作用の報告として0.1%~5%未満の確率で発赤・ほてりを感じた例が存在します。
使用の中止によってすぐに改善する場合がほとんどであるため、もし異常を感じた場合には使用を中止してください。
一部では、シミ・そばかす・ニキビ・毛穴の黒ずみなど、皮膚トラブル全般に高い効果を発揮するような情報もありますが、実際にはそれらに対して有効性を調べたデータはなく、ヒルドイドの適応症ともなっていません。
ニキビ跡が固くなり、盛り上がっているようなケロイド状皮膚になっている場合では、使用により改善の可能性はありますが、穏やかな効果であるために即効性は期待できません。
何らかの治療に合わせて補助的に使用することが一般的です。
唇
口腔内でなければヒルドイドは使用できるため、乾燥による唇の荒れがある場合にも使用可能です。
口の中には入らないように注意する必要があります。
手足
ヒルドイドは手足への使用により、血行改善によるしもやけへの効果や、皮膚の下層にある角質に水分を保持することによる乾燥性アトピーへの効果が期待できます。
皮膚を保護し、血流を促すため、軽度の手荒れ・肌荒れにも効果的です。
ケロイド状になっている皮膚への改善効果も適応となっているため、やけどの跡に対しても使用可能ですが、その効果は穏やかなものです。
手足への使用では、皮膚保護効果の高いクリーム剤か軟膏剤が、より効果的だといえるでしょう。
髪(頭皮)
ヒルドイドの適応症に、皮脂欠乏症が記載されています。
頭皮の皮脂欠乏症が起きている場合、フケやかゆみの原因となっていることが多々あるため、医師の診断のもとでヒルドイドのローション剤が使用されることがあります。
その他の剤型のものでは、髪に付着するとべたべたと使用感が悪いために、あまり選択されません。
ローション剤だとしても直接頭部に薬液を出すのではなく、まずは手に取って頭皮にマッサージしながら揉み込むように使用するのが効果的です。
目(くま)
血流を改善する効果があるため、青あざになっている内出血や目の下のクマへの使用で改善する可能性があります。
ただし、目の下のクマでは保険適応とされていないため、ヒルドイドと同成分を含む市販薬を使用しなければいけません。また、眼に入らないように十分医注意しなければいけません。
陰部
陰部への使用は特に問題のないものです。
乾燥によるかゆみなどが起きている場合には使用することにより効果が期待できます。
一部では陰部の黒ずみに効果があるような噂もありますが、陰部の黒ずみは色素の沈着によるものであるため、ヒルドイドを使用しても効果は期待できません。
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傷口
ヒルドイドが使用できない部位で、最もわかりやすい部位が「傷口」です。
ヒルドイドを塗布することにより、血流改善・血流量増大効果によって傷口からの出血が助長されてしまう可能性があります。
出血が止まり、上皮化した後には使用することが可能です。
まとめ
ヒルドイドは、傷口、潰瘍部分、びらん部分、目や口内などを避ければ、全身に使用できるものです。
皮膚内部の角質に水分を保持する効果で乾燥を防ぎ、血流の改善によって薬効を発揮しています。
効果は穏やかながら、副作用も少なく使用しやすい医薬品として重用されていますが、シミ・黒ずみなどの色素沈着に対しては効果は期待できません。
使用する部位によって剤型を考慮し、より使い勝手が良いものを選択していきましょう。
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